漢方は、元々は奈良時代に、中国から日本に伝わり(諸説あり)、日本人の気質、体質、風土に合わせて、独自に発展してきた日本の伝統医学です。
身心健康になるため、長年の英知を摂り入れてみませんか?
漢方は、西洋医学とは異なる考え方や治療法で、病気の予防、根本的な治療を目的としています。
病気ではないけど、なんとなく体調がすぐれない”未病”の状態は、しばしば経験されていることでしょう。
イライラし易かったり、耳鳴りや足がつる、手足のしびれ、爪が割れやすい、顔が火照る、不眠等々、身心の不調や、肌荒れ、ニキビ、シミ、乾燥肌、しわやたるみ、白髪等、美容的観点から悩みがあるかもしれません。
このような悩みから、あなたの身体に、これから説明する気血水の何が足りていないのか、どの五臓の働きが弱っているのかわかります。
身体の状態を知ることで、心と身体必要な栄養をひも解き、解決する食材や、改める必要のある生活スタイルが見えてきます。
漢方では、ひとは、気血水という3つの要素でできていると考えます。
この気(き)、血(けつ)、水(すい)は、それぞれが密接に関わりあいながら、生理機能を営んでいます。
十分にあること、バランス良くしっかり巡っている状態が健康な状態です。
身体の機能、それを司る気血水は互いに関連しているので、例えば、無理なダイエット等で血が不足すると、貧血になるという短絡的な結果だけではありません。
肌が乾燥したり、ニキビ、しわ、白髪、爪が割れやすかったり、記憶力が低下したり、足がつったり、ドライアイ、落ち着きがなくなったり等々、様々な影響が表れます。
気は、身心のエネルギーを司るものであり、流れが滞ると、身心の機能が低下します。
気が足りない状態を気虚と言い、疲れやすかったり、やる気が出ない、顔のくすみ、冷え、風邪をひきやすい、汗が止まらない、しわが増える、身体がたるむ等、様々な症状が出ることがあります。
気が足りてないとか、巡っていないかも、と感じたら、下記、食材を摂ってみてね!また生活スタイルも参考にしてみてください。
気を補う食材: 玄米、高麗人参、なつめ、ざくろ、さつまいも、山芋、里芋、南瓜、とうもろこし、栗、椎茸、舞茸、ホタテ、鰻、鶏肉、鮭、甘酒、エビ 等
気を補う生活スタイル:
気が、十分にあっても巡っていないことで(気滞)、イライラしやすい、怒りっぽい、ゲップやおならが出やすい、溜息をよくつく等、喉や胸がつかえたような感じがすることもあります。
ゲップやおなら、溜息は、気を巡らせようとして身体が自然に行っている行為でもあるのです。
喉や胸、お腹が貼る、肩や腰が痛いなど症状が出ることがありますが、(気滞)による症状の場合、翌日には別の個所に代わると言われています。
気を巡らせる食材: 陳皮、そば、春菊、ショウガ、ニラ、大根、みょうが、シソ、ミント(ミントティも)、ミツバ、パセリ、グレープフルーツ、ミカン、ゆず、ジャスミンティ、レモン(甘い柑橘ではなく、酸っぱいものがおススメ) 等
気を巡らせる生活スタイル:
気には、下記5つの役割があります。
血は、血液やその他栄養のある水分のこと。
全身に栄養と潤いを与えます。
血は充分にあること、しっかり巡っていることが大切です。
血が不足している状態を血虚(けっきょ)、巡りの悪い状態を瘀血(おけつ)と言います。
血を補うためには、血を補う栄養を含んだ食事や生活習慣の改善が重要です。
身体を温めたり、ストレッチしたり、長風呂を控える、十分な睡眠などの生活スタイルも血の質を高め、バランスを整えるために重要です。
血が不足すると、下記症状が表れます。
肌: 乾燥、赤ニキビ、しわ、顔色が悪いまた白っぽくくすんだ顔色 等
髪: 白髪、枝毛、切れ毛、抜け毛、薄毛、パサパサ(充分に摂った血の余りが髪に行きます。) 等
爪: 弱くて割れやすい、二枚爪、縦に線が入る 等
目: ドライアイ、視力低下、かすみ目、眼精疲労、かゆい 等
唇: 乾燥、皮がむける、割れる 等
脳: 記憶力低下、集中力低下、ぼーっとする、睡眠の質の低下 等
筋肉: 脚がつる、脚がしびれる 等
*筋肉をつけたい場合は、血を作る食材を摂ることが必要
心: イライラしがち、落ち着かない 等
*同時に、気を補う食材も摂ると効果を感じやすいと思います。
月経; 月経の量が少ない、遅れがち 等
血を補う食材:
なつめ、クコの実、鰻、ほうれん草、人参、蓮根、くるみ、松の実、黒豆(黒豆茶も)、黒ごま、黒きくらげ、赤身肉、赤身魚、竜眼肉、鶏卵、栗、いちじく、ぶどう、黒米、プルーン、レーズン、すもも、落花生 等
*特に黒きくらげはおススメ。血の質を上げてくれますよ。
血を補う生活スタイル:
血が巡っていないと次のような症状が出ることがあります。
シミ、目の下のクマ、そばかす、ほくろ、くすみ、ニキビ(赤紫)、ニキビ痕、傷痕が残りやすい、あざ(ぶつけた覚えがないのに)、唇が紫、爪が紫、しもやけ、肩こり、腰痛、生理痛(腹痛)、目の奥が痛い 等
血を巡らせる食材: 山査子(さんざし)、生姜、大葉、紅花、うこん、小豆、黒豆(黒豆茶も)、黒きくらげ、ナス、ピーマン、玉ねぎ、にんにく、マグロ、シナモン、らっきょう、桃、酒粕*注1、青魚、紅花、長ねぎ、ローズティ、ニラ、ほうれん草、かつお、ブルーベリー 等
*注1
酒粕: アルコールを含むので、お酒に弱い方、お子さん、車の運転前など、気を付けてください。
水を混ぜてとろ火に30分ほどかけるとかなりアルコールは飛びますが、完全ではありません。
また火にかける際は、放置しますと、とろみがあるため、酒粕がお鍋から勢いよく飛び散りますので、かき回し続ける必要があります。
充分注意してください。
酒粕に、シナモンや無糖のミックスナッツ、レーズン、クコの実などを混ぜて、2,3日冷蔵庫でなじませるととても美味しいです。
甘みが欲しい場合は、蜂蜜少々、あるいは、私はフラクトオリゴ糖を使っています。血糖値が上昇せず、体内の糖化を心配する必要がありません。
*食べるだけでなく、実は、顔にパックするのおススメ。
数種のアミノ酸をたっぷり含んでいるので、美白ともっちり肌を期待できます。
血を巡らせる生活スタイル:
水(すい)は、血以外の栄養のない身体の潤い成分です。
津液(しんえき)とも言います。
水が不足(津虚(しんきょ))すると、便秘、髪や瞳、爪、肌の乾燥、身体の粘液が濃くなる、粘度の高い鼻水が出たり、痰がからんだりします。
肺が乾燥すれば、空咳が出たり、腸が乾燥するとコロコロ便が出ることもあります。
このようんが場合は、水を補うだけでなく、同時に肺に良い食材を摂ったり、肺を健康に保つため、ライフスタイルを改善することもおススメです。
水を補う食材: 体温以上の温度のノンカフェインの水分(真夏以外)、果物、野菜 等
水を補う生活スタイル:
水は十分にあっても、巡りが悪い(水滞、水毒)と、足や手、顔、内臓にむくみが出たり、乗り物酔いしやすかったり、下痢だけでなく便秘になることもあります。
白ニキビが目周りにできたり、イボや、ジュクジュクした湿疹ができることがあります。
身体にしつこい冷えを感じることもあるかもしれません。
雨の日にだるいなど不調を感じたり、そんなに水分を摂ったわけではないのに、お腹がチャポチャポする場合などは、水滞の可能性があります。
水を巡らせる食材:
生姜、はとむぎ〈はとむぎ茶も)、小豆(小豆茶も)、黒豆(黒豆茶も)、のり、わかめ、シナモン、とうもろこし(とうもろこし茶も)、とうもろこしのひげ(とうもろこしのひげ茶も)、きゅうり、冬瓜、もやし、西瓜、ウーロン茶 等
*水はそれ自体の性質として、身体を冷やす作用があり、温めてもその性質は変わりません。
身体は冷やさないことが肝心ですので、水そのものをたくさん摂取することは、おススメしません。
水を巡らせる生活スタイル:
五臓六腑とは、肝、心、脾、肺、腎の五臓ですが、西洋医学的に該当する臓器のない、心を覆う膜の概念である心包を加えて、六臓とすることもあります。
それぞれ肝と共に働く胆、心と働く小腸、脾と働く胃、肺と働く大腸、腎と働く膀胱、西洋医学で該当する臓器のない概念のみの三焦が六腑で、六臓六腑という考え方もあります。
西洋医学で言う臓器と名前は同じですが、全く同じものを意味してはいません。
それぞれの臓器が強過ぎず、弱過ぎず、バランスよく機能していることが健康な状態であると考えます。
肝は、血の解毒をし、貯蔵(蔵血)します。
気巡りを整え(疏泄:そせつ)、精神状態を安定させてくれます。
胆と共に働いて、自律神経や情緒を安定させ、筋肉に関わり、運動機能を司ります。
肝は思いを巡らせ勇気を出させる臓器、胆は決断する臓器。
両方が整うことで、やりたいことが上手くいくと言われています。
肝の機能が低下すると、疲労感や、イライラしたり、お腹が張ったり、喉の詰まり、ゲップ、怒ってストレスで泣いたり、涙もろくなることなど情緒不安定になったり、自律神経のバランスが崩れたりすることがあります。
人によってはおしゃべりが止まらない等の状態になったりします。
肝の上体状態は、特に目、爪、筋にサインが出ます。
目の症状:充血、ドライアイ、目がピクピクする、視力が落ちる 等
爪の症状:爪が割れる、表面がボコボコになる、縦に線が入る 等
筋の症状:けいれんや、手が震える、しびれる、運動機能の衰え、声が震える、足がつる 等
肝は、心と相性(そうせい)の関係にあり、脾が弱っている時、助けようと働きます。
弱り過ぎて、助けきれないと、心と共倒れになります。
また、脾とは相克(そうこく)の関係にあり、脾が盛ん過ぎると、抑制しようとしますが、抑制し過ぎて弱めてしまうこともあります。
肝の機能を高める食材: 大まかに言うと、青い香りの良い野菜や酸っぱめの柑橘類(レモン、甘夏ミカン等)がおススメ食材に多いです。
気巡りを良くして、血を補う食材です。
シソ、パセリ、パクチー、ヨモギ、ブロッコリー、春菊、ししゃも、たら、スズキ、鶏卵、クコの実、レモン、かぼす、セロリ、セリ、青梗菜、ほうれん草、ゴーヤ、レタス、アボカド、金針菜、菊の花、柚子、びわ、馬肉、ゴーヤ、アロエ、サフラン、三つ葉、グレープフルーツ、シナモン、ウィスキー、焼酎、赤ワイン、マグロ、あさり、はまぐり、しじみ、カジキマグロ、レバー(豚、鶏)、ししゃも、タラ、スズキ、くらげ、うずらの卵、クコの実、牡蠣、すもも、ブルーベリー、クランベリー、梅 等
肝の機能を高める生活スタイル:
心は、精神活動(意識、思考)を行い、血液循環を促進し、睡眠にも関わります。小腸と共に働きます。
心の機能が低下すると、血液循環が悪くなり、ぼーっとしたり、物忘れや不安感があったり、焦りや動悸、また睡眠の質が低下したりします。
特に眉間や舌にサインが出ます。眉間にニキビができたり、舌がしびれたり、痛い、赤い等です。
心の機能を高める食材: 大まかに言うと、赤い食材、苦みのある食材に代表されます。
ししとう、きゅうり、りんご、甘酒、焼酎、ウィスキー、蓮の実、緑茶、唐辛子、鰺、鰯、さんま、牡蠣、スズキ、カカオ、ゴーヤ、アロエ、メロン、ゆり根、赤貝、赤ワイン、なつめ、小豆、ピーマン、緑豆、スイカ、春菊 等
心の機能を高める生活スタイル:
あまり喜び過ぎないことが心を、身体を疲れさせないことに繋がります。
寝不足すると心が弱りやすくなります。
また、夏の暑い時期は心が活発になりやすくなりますが、弱りやすい時期でもあります。
心と一緒に働く小腸のツボ(手の小指の爪の両側)をもう片方の指で圧迫するのもおススメです。
心の弱りは、舌と眉間に表れます。
眉間にニキビができたり、舌がしびれたり、痛い、赤い等です。
心が弱っているなと感じたら、上記の心に良い食材と摂ったり、生活スタイルを参考にしてみてください。
脾は、胃と共に働いて、摂り込んだ栄養素を、気血水に換え、エネルギーを作り出します。(運化)
脾は、東洋的な考え方では、膵臓や消化器系をまとめた概念です。
婦人科系にもにも関わっていて、問題がある場合は、生理痛、生理不順、更年期となって症状が表れることがあります。
身体の部位をもとの位置に保つという働きもあります。
また、血が血脈から漏れ出ないようにする働き(統血)があり、血尿や血便、不正出血など、血液が血管の外に漏れ出すのを防ぎます。
脾の機能が低下すると、唇や肌ツヤが悪くなったり、バストやおしりが下がる、肌がたるむ、ほうれい線が出ることがあります。
また、食欲不振、胃の不調、便秘等の状態になりやすくなります。
脾の消化の働きが弱ると、栄養を吸収しきれない、摂った栄養を気血水に換えることが難しくなり(サプリメントを摂っても効果が出ない)、身体に湿を溜めやすくなります。
湿が溜まると、その水溜まりは、鼻水や、皮膚のイボ、関節の痛みやこわばり、四十肩、五十肩の原因になると言われています。
脾の弱りは、特に、口や唇にサインが出ます。口内炎、口角炎、唇が荒れる、目の出血等です。
このような症状が表れたら、脾が弱っているんだな、と気付き、脾を元気にする食材を意識的に摂って、脾を元気にする生活スタイルを試してみてください。
砂糖は脾を弱め湿を溜め、腎を冷やします。
極力摂らないことが大事です。
多くの食品は砂糖を含んでいるので、全く摂らないというのは難しいこと、この現代社会において、なかなか難しいことなことかもしれません。
砂糖の代わりになる調味料として、麹の甘酒やさつまいもの甘みを使うとか、お料理でしたら、蜂蜜がおススメです。
それだけでなく、砂糖は、身体の糖化を促進させますので、老化に繋がります。
AGEsの原因となるものを摂らないことは、老化をなるべく遅くする手だての一つです。
砂糖は、甘いお菓子だけでなく、だし醤油や、ケチャップ、ポン酢等々の様々な調味料にも入っていますので、知らぬ間に、摂取しやすい食材です。
脾が弱ると、甘いものが食べたくなります。
でも、身体の求めている甘みは、砂糖の甘さではなく、甘い物を食べても満足できず、やめられなくなります。
中毒性があるのです。
脾の機能を高める食材:
黄色のもの、甘みのある食材が多いです。
気を補い、水を巡らせる食材です。
芋類(里芋、長芋、自然薯、さつまいも)、豆類、南瓜、米(玄米、黒米、うるち米、もち米)、人参、とうもろこし、ブロッコリー、なつめ、キノコ類、にんにく、胡椒、焼酎、酒、鰺、フグ、鮎、あんこう、ニジマス、鰯、ぶり、穴子、鮭、
スズキ、カツオ、鯖、真鯛、タラ、栗、よもぎ、甘酒、酒粕、陳皮、キャベツ、蜂蜜、生姜、玉ねぎ、マッシュルーム、松の実、牛肉、レバー(豚、鶏)、うずらの卵、きゅうり、なす、アボカド、緑豆、はまぐり、あさり、昆布、馬肉、ズッキーニ、
アロエ、寒天、グループフルーツ、そば、ふきのとう 等
肺は、呼吸器系、免疫系で、アレルギーに関連しています。
気血水を全身に巡らせて潤し、水分を上方向に上げて全身を潤し(宣発)、腎臓に運び、不要なものを膀胱に流す働き(粛降)があります。
水分コントロールを行い、大腸と共に働きます。
肺の機能が低下すると、皮膚が乾燥したり、敏感になったり、鼻にニキビができる、鼻炎等の症状、アレルギー症状が表れ易くなります。このように、皮膚、鼻の弱りのサインが表れます。
肺と共に働く大腸が弱っている場合も、同様の症状が出やすくなります。
肺の機能を高める食材: 白い食材、辛みのある食材が多いです。
大根、蓮根、にんにく、胡椒、シナモン、唐辛子、酒、ふぐ、もち米、にんにく、生姜、長ねぎ、玉ねぎ、セリ、柚子、アスパラガス、ニラ、らっきょう、みょうが、舞茸、くるみ、桃、梨、柿、ざくろ、干し柿、甘酒、陳皮、鶏卵、鴨肉、白きくらげ、銀杏、白菜、シイタケ、エリンギ、とうもろこし、はとむぎ、水菜、筍、湯葉、落花生、白ごま、芋類、アーモンド、蜂蜜、大根、レタス、セロリ、そば、蓮根、ゆり根、バナナ、ラディッシュ、松の実 等
腎は、生殖器系で、アンチエイジングに関わり、生命力を溜めている臓器です。
膀胱と共に働いていて、水分代謝(お小水)にも関わります。
子宮のホルモンバランスに関係しているため、更年期とも関係があります。
腎の機能が低下すると、老けやすく、夜中トイレに起きたり、むくみ、おねしょとも関わります。
髪は、パサついたり、枝毛や切れ毛、白髪、円形脱毛症になることもあります。
耳は、難聴や、中耳炎になりやすかったり、(ジーと低い)耳鳴りとなって表れることもあります。
骨や歯は、もろくなったり、歯を磨いているのに虫歯になりやすい等です。
上記のように、腎の弱りは、髪、耳、骨、歯にサインとして表れます。
腎の機能を高める食材:
黒い食材、鹹味(かんみ:塩辛い味)のある食材が多いです。魚介が多いです。
シナモン、羊肉、ふぐ、ムール貝、赤貝、鰺、鰯、エビ、穴子、ぶり、よもぎ、ニラ、栗、くるみ、さくらんぼ、ざくろ、フェンネル、八角、いか、ホタテ、鰻、うに、カツオ、スズキ、ししゃも、くらげ、うずらの卵、鶏卵、豚肉、豚足、鴨肉、黒米、黒豆、山芋(自然薯、長芋)、黒きくらげ、キノコ類、ブロッコリー、黒ごま(皮が硬く、消化吸収されないので、ペーストがおススメ)、クコの実、しじみ、あさり、冬瓜、マッシュルーム、蚊に、海藻類、味噌、はまぐり 等
腎の機能を高める生活スタイル:
陰陽五行説とは: 中国の春秋戦国時代に発生した思想であり、陰陽論と五行説が合わさったものです。
この組み合わせにより、さまざまな事象や現象を説明し、占術や漢方医学などにも影響を与え、中国の哲学や文化において重要な役割を果たしています。
陰陽論は、陰と陽は必ず1対で、相互作用しつつ、バランスを取りつつ絶えず変化し、性質が変わっているという説です。
陰だけでも陽だけでも存在できない、両方あってこそバランスが取れる、どちらも必要なのです。
五行説とは、自然界は、木、火、土、金、水の五つの要素で構成され、それぞれがバランスをとって存在しているという説です。
身体の状態も、陰陽と五行のバランスによって決まります。
相生(そうじょう):育てる関係
木→火: 木が燃えて火を生じる
火→土: 火が燃えて灰が土に還る
土→金: 土を掘って金が出てくる
金→水: 金の表面に水が生じる
水→木: 水が木を育てる
相剋(そうこく): 抑制する関係
木→土: 木が土の養分を吸い取り、土地を痩せさせる
土→水: 土は水を濁らせる、または、水を堰き止める
水→火: 水は火を消す
火→金: 火は金を溶かす
金→木: 金(斧やのこぎり)は木を傷つけたり、切り倒す
例えば、肝(木の要素)は、機能が低下すると、脾(土)を攻撃します(木が土の栄養を吸い取ります)。
漢方では、身体に現れたサイン(体調の不具合)を見て、身体の気血水のバランス、五臓六腑のバランスから見て、食事で何が足りていないか、生活スタイルのどこを見直すかを知ることができます。
例えば、シミが気になる、目の下に青いクマがある、ニキビ痕が治りにくいなどの場合、瘀血(血巡りが悪い)の可能性があるから、血巡りに良い食材を摂ってみましょう、という感じです。
漢方は、自然界の一部である私たちが、どうバランスをとって生きていけば良いかを教えてくれます。
心の在り方も含め、自然に合った生活、食事をすることで、年齢よりも若い外見、健康な身体と心を保つことを期待できるのです。
身心のお悩み事の解決を求めると、美も一緒に着いてきてくれるそうですよ。